大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(行コ)34号 判決

以上認定の事実が、地方公務員としての適格性の欠如の表れとみられるか否かにつき検討する。

そもそも前記ビラが生徒の単なるいたずら書きによるものであったにせよ、生徒がビラを書いた原因の一つに、被控訴人の影響があったことは否定できないのみならず、被控訴人はインベル学習についても、当初の一学期間は、教室に顔を出さず、右学習の指導を余りやらないなどの点からして、教育活動の面においても、その適格性を疑われる余地があり、また直接教育活動そのものではないが、生徒の目に触れるであろうことは当然予想されるにかかわらず、学校の廊下を歩きながら喫煙し、また校長が訓話中の終業式に、たばこをくわえたまま入り、同僚に高い声で話かけるといった行動は、教員の一挙手一投足が、広く生徒の教育に影響を与えることを考えない不謹慎な行動であり、公立学校の校舎の維持管理が、市町村の公費により、まかなわれなければならないことは当然であるが、しかし高松中学校においては、従来公費が十分でない場合には、父兄の勤労奉仕により、校舎の修理等が行われることもあったから、校長から父兄の勤労奉仕を依頼する文書を、生徒を通じて家庭に配布することの要請を受けながらその内容を不満として、むげに拒否し、これを生徒に持ち帰らせないことは、被控訴人の反抗的態度を示すものであり、公立学校の教員は法律上転所についての保障がないから、その転任が自己の意思に反するからといって、これを拒否することは許されないところ、被控訴人は、長田南中学校への転任を不満として、前任地高松中学校校長に対し執拗に抗議し、そのため同校の始業式の開始を予定より遅延させ、また宿直日直勤務を放棄し、その理由がどうであれ、無断欠勤を重ね、校長から命ぜられた机の補修を遅らせ、脱脂粉乳を飲まない生徒の人員の調査及び学力調査を拒否するなどして、上司の職務命令を無視し、職場の規律を乱すのみならず、教育長に対する三回にわたる暴行、及び昼食はなるべく生徒と一緒にとるようにとの校長の要望に対する穏当を欠く言辞等にみられる被控訴人の上司に対する反抗的態度、また被控訴人の前記三の(三)記載の始業式への不参加、通信簿や指導要録の記載の不備にみられる職務に対する熱意の不足、さらにレントゲン精密検査を怠ったこと、喫煙態度、終業式の際の無作法、校長に対する不穏当な言辞、インベル学習に関連し、学年主任と口論したことなどは、被控訴人の社会的常識の欠如と、独善性を示し、社会的協調性を欠くものとみられ、これらの事実は、被控訴人の性格の片寄りを示すものとみられる。しかも≪証拠≫によると、被控訴人の右行動、態度は、到底上司の指導、教示の余地のないものであることが認められる。

そうすると、被控訴人はその前記行動行状からして、地方公務員殊に教育公務員として職務を遂行するに必要な適格性を欠くとみられてもやむを得ないというのほかはなく、本件分限免職処分が無効であると認めるべき事由はない。

(渡辺 田畑 丹野)

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